こんにちは。
武蔵浦和メンタルクリニックの木曜日担当のカウンセラーです。
緊急事態宣言も明け、皆様は如何お過ごしでしょうか。
本日で私が担当する最後の回となりますが、今回は『考え方の癖を知ること』についてお話をしたいと思っています。
足や腕を組んだり、よく言う言葉があったり…。私たちは自然と習慣化されたもの、『癖』を持っています。目には見えませんが、認知つまり“考え方”にも『癖』が存在します。
よく「いつも私は失敗している」とか「1つミスをしたらもう全部だめだ」と思考えてしまうなど、そういうことに覚えはありませんか? 実はこれにも『考え方の癖』が現れています。
『考え方』の癖には種類がたくさんありますが、今回はその一部ご紹介致します。
〇べき思考
「〜すべきだ」「〜しなければならない」という考え方です。
“べき”や“しなければならない”は高い基準や厳格なルールを設定し、自分を縛ることになります。そして、この高い基準に合わせようとエネルギーを多く注ぎます。この考え方が強いと、少しの失敗でも許すことが出来なかったり、エネルギーを使い過ぎて疲弊してしまうことも起こったりします
〇白黒思考
物事を「白」か「黒」かのみの極端で判断し、灰色(つまり間やあいまいな状態)がない考え方です。例えば、人間関係においても「好き」か「嫌い」しかなく、「嫌い」になった途端に直ぐに縁を切る、というのも白黒思考によるものの1つです。この癖により、行動が極端になりやすくなります。
〇先読み
「〜かもしれない」「〜にちがいない」と悲観的な予測を立ててしまう考え方です。悲観的な結果を予測して、落ち込んでしまったり、行動に消極的になったりなどが起こります。
〇自己批判
何かが起こった際に責任が自分にあると過度に思い込む考え方です。この考え方が強いと、実際には責任がないことでも「自分が〜しなかったからこうなったのではないか」など自分を責めてしまうことが起こります。また、過度に自分を責めるので落ち込んでしまったり、自分に自信が持てなくなることも生じます。
一部紹介しましたが、あてはまるものはありましたでしょうか?
「あてはまってしまった」「この『考え方の癖』を持っていてはいけない」ということではありません。私たちは誰でも『考え方の癖』を持っています。そして、この『癖』は自分を上記したように苦しめてしまうこともありますが、助けになっている・自分の強みになっている部分でもあります。
例えば、“べき思考”の考え方の癖があったとしましょう。「ミスなく仕事をすべきだ」と考えた場合、とても丁寧にそして一生懸命に仕事に向かうことが出来ると思います。
また、“先読み”の癖があれば、先のことを考えているので事前に準備をしたり計画立てたることに繋がると思います。
大事なのはまずは自分にはどんな『考え方の癖』があるかを知っていることです。
この『癖』を知っていることで、自分を苦しめる方向に働きそうになった時には立ち止まって考え直すことが出来ます。そして、『考え方の癖』を自分の強みとしても活かしていくことにもつながります。
ここで説明した『考え方の癖』については、認知行動療法という心理療法の理論になります。
セルフケアとしても用いられ書籍がたくさん出ていますので、興味があればぜひ見てみてください。何かヒントになるものがあるかもしれません。
参考までに、文末のURLは厚生労働省がうつ病の方のために作成した認知行動療法の資料となります。
無料で見ることが出来ますので、認知行動療法というものがどんなものかを知るには良いと思います。
読んでいただいてありがとうございました。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf