2020年05月19日

新しい日常に対する五月病


こんにちは。

武蔵浦和メンタルクリニックのカウンセラーです。



4月の緊急事態宣言から始まり、
私たちは一か月かけて新しい環境への適応に努めてきました。
そして五月です。
五月病と呼ばれるような精神的な不調を感じやすい季節になりますが、
今年の五月は世界的な規模でのライフスタイルの変更を余儀なくされ、
変化へのストレスと疲弊から、
精神的な不調を感じる人が一層増えることが予想されます。

そもそも五月病とはどういうメカニズムで生じるのか。
私たちは新しい生活や環境に適応するために、
多くのエネルギーを消耗します。
不安や緊張に対処し、
新しい環境に慣れ、
自分の居場所や習慣を獲得していきます。
4月の一か月をかけて全力で取り組むわけですが、
当然疲労は蓄積します。
身体的にも、そして精神的にも疲弊し、
さらに本人がうまく環境に適応できないように感じられている場合に
うつ病のような症状が生じるのが
五月病です。

今年の五月は、
日本中、世界中の人が
新しい環境への適応での疲労を抱えています。

また、この先どうなっていくかわからないというような
曖昧、不確かさというものは、脳がストレスを感じやすいと言われています。

私たちが感じるストレスを段階的に分けるとすると
第一段階は緊急事態宣言直後で、
不眠や食欲不振、過食など、身体的な表れがメインです。
第二段階では、余裕がなくなる、イライラしやすくなる、集中しにくくなる、
第三段階では、事績的になり無力感が高まる、漠然とした不安感がある、
などと変化し、知らず知らずのうちに
精神的な疲労が蓄積されていきます。

精神的な疲労が蓄積されていくと、
これまでよりも少しのことで傷つきやすく、
立ち直るのに時間がかかりやすくなります。

以前は気分転換で、
まぁ、こんな時もあるさ、
と思えていたことも、
悲観的に受け取りやすくなり、
気持ちをなかなか立て直せなくなってしまいやすいのです。
 
ストレス下の脳では、
意識的に正常な思考や判断ができなくなる(頭が真っ白になる)
普段はしないようなミスをしやすくなる(極端な行動をとってしまう)
という誤作動を起こしやすくなります。
これはストレスにさらされた脳の反応によるものなので、
自分を責めたり周りを非難したりするのではなく、
まずは自分がストレスを感じているのだと
意識を自分の体に向けられると良いでしょう。

ストレスを自覚するということは、
言葉では簡単ですが、
非常に難しいことです。

一日に5分でも3分でも良いので、
目を閉じて、
自分の体のどこかに痛みはないか、
凝りや緊張はないか、
サーチしてみてください。

また、私たちはつい、
過去や未来にばかり目を向け
「今」という感覚を軽視しがちです。

過去の自分がどうであったか、
未来の自分はどうあるべきか、
過去と未来に縛られてしまうことで
「今、ここ」での自分を見失ってしまってはいないでしょうか。

先の見通しにくい今、
未来を想像することでかえって不安を高めてしまう人もいるでしょう。

「今」をきちんと体験できること、
ストレスの存在を否定せず、
当然あるものとして受け入れられる人、
そして今手元にある資源(家族や友人関係、本や音楽、オンラインなどのツール)から
楽しみや充実感、良い感情を引き出せる人が、
この長期化するストレスとうまく付き合っていける人なのかもしれません。


posted by 武蔵浦和メンタルクリニック at 14:34| 埼玉 ☔| Comment(0) | カウンセリング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月07日

三つの密とこころ



こんにちは。武蔵浦和メンタルクリニックのカウンセラーです。



今、「三つの密」、密閉、密集、密接を避けるようにと
しきりに呼びかけられています。
私たちは自分や誰かを守るため、
この「3密」を避けなければなりません。

しかし心理的に言うと、この三つの密こそが、
私たちの心の安定を保つために、
とても重要な役割を担っているということができます。

密閉―安心できる空間で
密集―人と集い
密接―つながりを感じる

人が人との間で得られる安心感は、
こうした条件から成り立っていることでしょう。



今回のウイルスは、
こうした人の営みの循環にも
障害を与えるものであります。

とても厄介なウイルスです。


さて、これに対して私たちはどう対抗できるか。

耐えかねて、人の集まる場所に出向いてしまっては、
ウイルスの思うつぼです。

不思議なもので、
テレビであれだけ深刻な情報を目にしているのに、
外に出て人がこれまでと同じように集っていると、
なんだかほっとしますし、大丈夫なんじゃないか
という気持ちになってきます。

そもそも密は人の営みの中では
安心感を得る基本条件でもあるので、
その欲求にあらがうことは、
そう簡単なことではありません。



対抗策として


@ 距離を保った交流を増やす

オンライン帰省という言葉まで生まれましたが、
私たちは今、離れていても
人と繋がることのできる方法を持っています。
インターネットに限らず、電話や手紙でも構いません。
離れている人と、できるだけ連絡を取りましょう。



A リラックスできる時間を作る

心配な状況は続きますが、四六時中心配をしていないと
いけないわけではありません。
お風呂や読書、テレビや映画など、
心配事を忘れる時間をつくりましょう。
楽しい気分やうれしい気持ちなど、
心がポジティブな活動ができる時間を
きちんと確保することが大切です。



B 感謝と敬意に目を向ける

人は不安にさらされると、周りが見えにくくなります。
特に今回のウイルスのような目に見えないものに脅かされている時には、
目に見える人やモノへの不信感を向けやすくなります。
それにより、攻撃しあったり、傷つけあったり、負の連鎖が生じます。
ウイルスによる心の負の反応に対抗するために、
エネルギーを正の連鎖に向けかえていきましょう。


  
今日も感染症の最前線で奮闘してくれている人たちがいます。
日常生活を維持するために、忙しく働いてくれている人たちがいます。
その人たちに支えられて、私たちの生活の安全が保たれています。
そうした人たちへの感謝と敬意や、今周りにいる人との繋がりへの
感謝の気持ちを失わずに過ごしましょう。


今まで当たり前で気づかなかった人との繋がり、
何でもない日常の「ありがたさ」に実感できることは、
私たちのこの先の人生をより豊かなものとしてくれるでしょう。





posted by 武蔵浦和メンタルクリニック at 11:59| 埼玉 ☔| Comment(0) | カウンセリング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月28日

終わりの見えにくいストレス



こんにちは。武蔵浦和メンタルクリニックのカウンセラーです。
間もなくゴールデンウィークですが、今年の連休はいつもと同じとはいかないようです。

 私たちは誰もが今、終わりの見えにくいストレスの元に生活しています。
そんな中、終わりの見えないストレスによって、起こりやすい反応というものを少しお伝えできればと思います。

以下のものは、このようなストレスにさらされると誰にでも起こり得る自然な反応です。

1 神経質になりピリピリして、寝付きにくくなることや睡眠の質が低下することがある。日中も強い不安や焦りを感じ、物事に集中しにくくなる。
 ⇒外への注意を向け敏感になることで、ストレスに対処しようとします。

2 極端な考えに振り回されて気持ちや考えが安定しない。
 ⇒「自分は大丈夫。」とポジティブに考えようとしすぎたり、「もう駄目だ。」とネガティブに考えすぎたりすることで、気分や行動が振り回されてしまい、余裕がなくなってしまいます。

3 自信や目標が持てなくなり、物事に消極的になる。自分を否定したくなる。
 ⇒無力感が高くなり、自分が悪いことではないのに、自分が悪いかのように感じやすくなります。

 これらの反応は、誰もが経験しやすいもので、一時的な反応です。ですので、一人で抱え込まないようにしてください。あなたのせいではありません。コロナのせいです。
 このような時には、無理をして辛くないかのように振る舞うよりも、身近な人とシェアすることが大切だと言われています。電話やネットも利用して、お互いの「辛いよね。」って気持ちを共有していきましょう。
posted by 武蔵浦和メンタルクリニック at 00:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | カウンセリング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする